【Tachibana Life♯51】旧くて新しい「たちばな文化」の創造~校内文化祭開催
何やかにやと慌ただしくしているうちに、もう年の瀬を迎える時期となりました。「行く年来る年」というわけではありませんが、夏休み明けの橘高校のあれこれを、ひとつずつ振り返りたいと思います。
読者の皆さま、「戮力協心(りくりょくきょうしん)」という四字熟語に聞き覚えはありますか? 筆者は初耳でした。辞書によれば「戮」は「合わせる、一つにする」との意味を持ち、四字熟語として「全員の力を結集し、一致協力して任務に当たること」という意味を表すそうです。
8月27日・28日の2日間にわたって、ふくしん夢の音楽堂を会場に開催された橘高校の校内文化祭。テーマは、冒頭の四字熟語をもとにした「戮力橘心(りくりょくきっしん)」。橘高校生の心と力を結集し、文化祭を盛り上げよう、といった意味になるでしょうか。
暑さ対策に作った「うちわ」と、音楽堂の象徴・パイプオルガンをタイトル写真にしてみました。
■1日目
文化祭実行委員をはじめとした皆さんが趣向を凝らしたオープニングムービーで幕を開けました。何人かの先生も出演し、盛り上げに一役買っていました。
その後、1・2年生各クラスの演劇発表が行われていきました。それぞれのクラスのカラーがよく表れていました。
■2日目
1日目に引き続き、クラス発表です。いよいよ3年生が登場! クオリティー、熱量ともに、1・2年生の手本となるような発表でした。
全クラスの発表が終わり、演劇部、ダンス部、管弦楽部がそれぞれ舞台発表を行いました。クラス発表とはまたひと味もふた味も違うステージとなりました。
すべてのステージ発表が終了し、各賞の受賞が発表されました。受賞したクラスの皆さん、おめでとうございます。
また、受賞発表に合わせ、橘高校で活躍した生徒を相互投票で選出する「ザ・たちばな」の受賞者も発表されました。
受賞という結果には、それぞれの努力はもちろんのこと、その背景には周囲の協力があったはずです。努力・協力という過程が、受賞という結果の有無にかかわらず、生徒一人一人の糧となっていくことを願っています。
橘高校ではこれまで、3年間で、公開文化祭を1回、校内文化祭(演劇発表)を2回というローテーションで行ってきましたが、ここ数年、さまざまな出来事の影響を受け、文化祭も試行錯誤を重ねてきました。
校内文化祭の会場だった県文化センターは数年前の地震の影響で使用できず、公開文化祭も新型コロナウイルス感染症流行により開催できなくなりましたが、その時々の状況を考えながら対応してきました。
そうして迎えた今年度の文化祭。橘スタイルともいうべきクラス単位での演劇発表を経験したことがある生徒はもちろん誰もおらず、教職員でも数えるほど、という状況でしたが、各クラスとも工夫を凝らして発表に臨んでいました。伝統として受け継がれてきた「たちばな文化」に、新しい一面が加わったといえるでしょう。
近年では、コミュニケーション教育の一環として「演劇」を取り入れるという考え方が浸透しつつあります。どういう表現が「正解」なのか、0からどういう世界を作り上げるのか、ここで登場人物はどんな気持ちなのか……いろいろなことをみんなで考え、意見を交わしながら作品を作り上げる過程は、まさに「協働」「探究」と呼んでもよいものです。舞台発表を通じて、一人一人が「学び」を深めてくれたらいいなあ、と願っています。