【Tachibana Life♯36】探究×2年生×修学旅行:「平和」について考える
2年生は、10月に3泊4日の修学旅行を控えています。280名弱の大旅行団での旅行など、なかなか体験できるものではありません(教員になれば別ですが)。意義のある学びとしてほしいものです。
旅行の行程の中に、広島・平和祈念公園での平和学習を組み込んでいます。「平和」とは何かについて真剣に考える大切な時間になりますが、福島県から見て広島県はあまりに遠く、時間も限られてしまいます。そこで、5月8日(水)に、国立広島原爆死没者追悼平和祈念館の「被爆体験伝承者等派遣事業」を活用し、被爆体験の伝承講話を伺う事前学習を行いました。
講話の実施にあたっては、伝承者の方にわざわざ本校まで足をお運びいただき、直接講話をいただきました。目の前で紡ぎ出される語りの力は、オンラインの「便利さ」を超えて生徒たちの胸に迫るものがあったようです。
講話では、戦争や原子爆弾そのものの悲惨さが、資料とともに示され、生徒もメモを取りながら、関心を持って聴いていました。被爆から80年弱を経た私たちが聞いても恐怖や不安、憤り、虚しさを強く感じるほどですから、当時被爆された皆さまの胸中は想像を絶するものと思われます。講話の場にいた誰もが、日常生活の中では湧き出てこない感情に出会う時間となりました。
武力を伴う紛争の話題は、現在も世界各地で途切れることはありません。何が、どうなることが「平和」なのか。平和であり続けるために必要なことは何か。「正解」は立場によって異なるものであり、唯一絶対の正解はないのかもしれません。
この課題に向き合い、考え続けることも「探究」なのでしょう。
現地に赴いた2年生の皆さんが、自分にとって腑に落ちる「解答」を見つけてくれることを期待します。